PR EXPO 2024に見るPRの変化・・・PR市場は廃れたのか?

5月8日~10日に東京ビッグサイトで開催されていた「PR EXPO」に参加してきました。そこで見て聞いて感じたことと、これからのPRに対する私見を述べたいと思います。

PR EXPO 2024に見るPRの変化

参加の動機

PR EXPOは、東京(春・秋)、大阪、名古屋、オンラインの年5回開催している、国内最大級のPRの展示会です。これまで、PR EXPOは東京、関西含めてほぼ毎年参加してきました。関西開催の方はあまり出展企業数も多くなく、全国展開している大手企業が中心だったため、正直物足りなさを感じていました。一方、過去に東京開催で参加した際は、新しい情報やサービス、トレンド感を知ることができ、非常に得るものが多かったです。そもそもの市場規模が違うので、当然だとは思いますが、関西と関東の差をひしひしと感じました。今回は明確な参加目的はなかったのですが、たまたま出張の機会とタイミングが合ったため、何か少しでも参考になればなあという気持ちで参加してきました。

観光DX・マーケティングEXPO併催されていた「観光DX・マーケティングEXPO」も盛り上がりを見せていました

出展企業の特徴と感想

PR EXPOの出展企業は資料によると11社。広報×ITツール、インナーブランディング、採用広報、社内コミュニケーションツールなど、多種多様な企業やサービスが出展されていました。そもそもの出展社数の少なさにも驚きましたが、メディアリレーションに関する企業や商品がまったくなかったことも印象的です。

ちなみに、3年前に東京で参加した際は、動画制作の企業が目立ち、その前の年はインフルエンサーPRのブースばかりでした。そして近年は、エコ素材によるノベルティ制作・オリジナルグッズ制作などのSDGs系のコンテンツが盛況していまいた。テレビなんて誰も見てない!今はインフルエンサーだ!と言わんばかりに、インフルエンサーPR市場は急激に伸びました。

今回そのような企業が出ていなかったのは、私は2つ理由があると思っています。1つ目は、動画制作やインフルエンサーPRの企業が飽和状態なことです。低価格で高品質の専門企業やサービスが多く出現し、目新しさがなくなったため、わざわざそれをコンテンツに出展をする企業がいなかったのかなと思いました。2つ目は、企業の内製力が上がったことです。動画もインフルエンサーも、ある程度のノウハウができ、自社で取り組めるものとなったため、外部に委託する企業自体も減っているのかなと思いました。SDGs系のコンテンツも、一時期のようなブームという感じはなくなり、当たり前に取り組むべきものに変わったのではないかと思います。

PR市場は廃れたのか?

上記の理由2点は、あくまで私見ですので、本当のところはわかりません。というのも、これまで出展企業の傾向やパターンが分かりやすく、トレンドが分析しやすかったからです。実は、参加する前は「円安やインバウンド需要の高まりから、グローバルな広報PRが求められるようになっている」という仮説のもと、それに関す情報やサービスを期待していました。結果まあ、見事にありませんでした(笑)

この状況だけを見ると人によっては「ああ~、PRもうあかんのか・・・」と思うかもしれません。しかし、私は「企業が当たり前のようにPRに取り組むようになり、PRに求められる役割が大幅に拡大した」と考えます。それを象徴するのが、以前のブログでも書きましたが、2023年6月20日に日本広報学会が1995年の設立以来、初めて「広報」の定義を以下のように機関決定したことです。

【広報の定義】
組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である

広報は、単なる広報部門の話ではなく「経営機能」なのです。今回も広報というか総務?人事?マーケティング?経営?という企業やサービスが多く、広報と他部門との垣根がなくなっていることを感じました。広報とは、経営レベルから他部門を横断したものになっていくのではないでしょうか。

ミライフの西山が代表を務める「関西広報100研究会」も、定期的に開催している研究会には約30名が集まり、毎回のように新しい広報担当者が参加されていますし、会員も毎月増加を続けています。そして中小企業やスタートアップ企業でもきちんと広報担当者を置く傾向が強くなっていることも感じています。

これから私たちがやるべきことは?

ミライフは企業のマーケティング・PRの支援を行っています。戦術レベルのPRやマーケティング支援はあまり多くなく、戦略からしっかりと組み立て、実行し、社内外のステークホルダーに対し企業の価値創造活動をしています。PRのトレンドに惑わされることなく、必要なことを見極め、持てるリソースを最大限に生かしていきたいと思っています。

ミライフは、独自の技術やサービスを持つ中小企業・スタートアップをマーケティングで支援します

ミライフは、広報・ブランディング・マーケティングの戦略策定から実行まで伴走支援するマーケティングの外部パートナーです。大阪・京都・兵庫を中心に全国のBtoB企業、中小企業、スタートアップの支援をしています。

マーケティング戦略広報戦略事業戦略などプラン段階から、広報のネタ探しメディアアプローチ取材対応などの実行支援まで、丁寧に柔軟にサポートします、ぜひお気軽にご相談ください。

無料カウンセリング(30分/月3社まで)も行っております。お気軽にお問合せください。

ミライフでは、ニュースリリースについて、より効果的になるように改善のご提案をするだけでなく、どのようなニュースにするか企画段階からご一緒し、メディアアプローチまでトータルで伴奏支援しています。