マーケティング相談あれこれ:ターゲットの理解

ターゲットはどのような人か、確信が持てない

ミライフには、様々な企業からマーケティングや広報に関するご相談が寄せられます。似たような問題を抱えられる方の参考になるよう、事例をご紹介します。

ある学習アプリを開発運営する、スタートアップからの話です。これまでSNS広告などデジタルで告知をしてきましたが、より多くの人に知ってもらうために、テレビ広告を行う予定です。しかし次の2点について、悩んでいるとか。

  1. テレビ広告の内容について、広告代理店が提案しているものがベストか確信が持てない

  2. 広告の前提となる、ターゲティングの詰めが甘い。どんな人にどうアプリの魅力を伝えればよいか、解像度がまだ低い

すでにアプリは100万以上のダウンロード数を誇り、有料会員も万単位でいるそう。さらなる成長のために、テレビ広告という大きな投資を計画されています。しかし初めての経験で、不安も大きいようです。広告代理店に相談し、想定するペルソナに沿って広告案を作っているのですが、それで良いのか、確証が持てないので意見を聞きたいとのこと。カスタマージャーニーやキャズム理論で分析をするなど、かなり研究しておられました。

*キャズム理論:商品やサービスがどのように普及していくかのモデル。新しもの好きのイノベーターとアーリーアダプターは初期市場、アーリーマジョリティーからラガードをメインストリーム市場とし、この間には「キャズム」と呼ばれる深い溝があり、普及をするにはキャズムを超えることが重要だとする理論。ジェフリー・ムーアの著書『キャズム』で提唱。

 

欲しいターゲットは?分解してみる

お話を聞いていると、”ターゲット”という顧客を表す言葉が、「20-30代の女性」「勉強熱心」「おとなしい性格」など人物属性に関する事ばかり。それも重要ですが、ビジネスを発展させるために「どんな顧客が理想的?」を考えてみることをお勧めしました。たとえば、顧客となる20-30代の女性を全部の母数とすると、その中に「アプリで学習をしている健在層」「今後学習してみたい潜在層」がいます。

そして、その中に「自社アプリを知っている人」がいて、「ダウンロード」して、「有料会員」になり、「活用」し、「ほかの人に推奨する人」になります。この最後の推奨者が、会社にとって一番ありがたく、増やしたい人たちですね。

 

欲しい顧客はだれ?それはどんな人?

 

 

顧客の探索と創造

すでに万単位の会員がいるので、その中で、毎日学習アプリを使い、スコアが伸びているなど、理想的な会員30人(最低10人)に1対1でインタビューをすることをアドバイスしました。一人一時間、オンラインで集中してヒアリングすれば、1週間以内で終わります。そのアプリを使っている理由や不満を聞くだけではなく、インサイト(深層心理)に迫るために、生活習慣、仕事やプライベートで重視する事、一日の過ごし方など、その人のライフスタイルや価値観をしっかり理解し、その学習アプリが彼女たちの暮らしをどう良くしているのか、何が求められているのかを理解することがお勧めです。

会員300人(最低100人)にアンケートで量的に調査すると、さらに確度が高まります。テレビ広告も、絵コンテレベルで複数作って、会員に比較評価してもらうと、多額の広告制作料が無駄になりません。

 

さらにアプリの改善と、競合理解を

今回の相談は、ターゲットの理解や広告表現についてでした。すでに説明した通り、仮説を立てて、直接話を聞き、調査をすることで、解像度はかなり上がります。そうなると、現状のアプリで出来ること、改善点も見えてくると思います。競合分析も、さらに必要になるでしょう。

相談者は、直接の競合であるアプリの会社のことを気にしていましたが、ライバルは他にもいるでしょう。ターゲットである20-30代の女性は、他にもやることがたくさんあります。学習アプリだけではなく、スクールやライブでの勉強、学習以外の遊び、趣味、人との付き合いなど、可処分時間をどう使うか、いつも考えているはず。彼女たちの生活や動機の理解をすることで、真の顧客像が見えてくると思います。

顧客を知ること、深く理解すること、そのインサイトに基づくベネフィット(便益)を見つけること、それがマーケティングの第一歩です。一度に答えは見つかりませんので、仮説を作り検証し、さらに改善強化をする。そうすればきっと、勝ちパターンが見つかるでしょう

 

マーケティングについてお悩みがあれば、ミライフへどうぞご相談ください。

 

*相談は、該当企業がわからないよう、一部内容を変えています。