【海外視察】フレンチテック イベントレポート〜Viva Technology 2024〜

2024年5月にパリで開催されたViva Technology(欧州最大のスタートアップ展示会)にミライフ森が参加しました。各国のスタートアップ成長事例を知り、顧客支援の参考にするため、海外とのプロジェクトを増やすため、そして、とにかく楽しむために、昨年に続き2度目の参加を果たした”趣味=VivaTech”な森が、熱気あふれる現地の様子をレポートします。

(出発前に書いた記事「2024年VivaTechの見どころ紹介」も、多くの方に読んでいただきました。VivaTechの知名度、日本でもあがってきたようです)

VivaTechnology 2024名物のサイン

VivaTechnology 2024会場全景

VivaTech 2024、JAPANパビリオン、盛況でした!

まずは、日本人として気になる「日本の存在感」について。日本は、今年のVivaTechの特別招待国として大規模な「JAPANパビリオン」を出展、スタートアップを中心に60社が参加していました。それに加え、毎年大注目のLVMHアワードのカテゴリー賞を、岩手県本社のスタートアップ「へラルボニー」が受賞したり、TOYOTAが「Woven City」をテーマに単独ブース出展するなど、日本の存在感が感じられる4日間でした。日本をテーマにしたステージセッション、サイドイベントも多数開催され、スタートアップや東京都など少数が、バラバラと参加していた昨年とは大きな違いでした!

JAPANパビリオンと大勢の見学者
JAPANパビリオンはメインホールの目立つ位置に出展
TOYOTAブース
「Woven City」に特化したTOYOTAブース。”のれん”が日本らしく印象的
HERALBONYブース
へラルボニーのブース。いつでも大混雑・大注目のLVMHブース内での出展

日本から出展したスタートアップに感触をお聞きしたところ、いずれも手応えや発見があったようです。一部コメントをご紹介します。

日本より反応がよく、多くの商談が進みそう

アメリカの展示会とも違う反応に驚いた、来てみないとわからなかった

来場者のニーズが明確で、話しているだけで今後の開発の参考になる

市場が変われば反応が変わるのは当たり前ですが、顧客はどこにいるのか、誰にどんなニーズがあるのか、直接会ってみないと気づけない、わからないことがあると改めて感じました。相手や市場を知るのはマーケティングの第一歩ですね!

ちなみに、昨年の招待国だった韓国が今年も大きなブースを構えていたほか、中国・台湾も大規模な展示をしていました。ぜひ、日本も来年以降も継続して出展し、日本の技術・ビジネスを広く発信して欲しいです。

韓国ブース
今年も大きな韓国パビリオン
台湾パビリオンでのフォトセッション
台湾パビリオンには、オードリー・タン氏も来場

刺激ポイント① 多様性:活躍する女性たち。学生や子ども、親子も来場

個人的に刺激を受けたのは、会場で活躍する女性たちです。日本の展示会でたまに見かける「グッズを配る綺麗なお姉さん」的な方はおらず、男性ばかりがズラッと並ぶ場面もありえません。特に登壇者は男女の偏りがないよう徹底されており、大企業幹部や政府高官、政治家など、様々な立場で登壇する女性たちを見ながら、「カッコいいなあ」と素直に感動しました。

もちろん、様々なジェンダーギャップは以前として存在しています。フランス社会は閉鎖的で、スタートアップでも”白人エリート男性”が断然有利といった裏話も聞きました。それでも、性別・国籍など、日本とは全く異なる多様性を目の当たりにすると、非常に新鮮で勇気付けられました。

SINEORA今井氏と日経上田氏と起業家、三人の写真
パリでオープンイノベーション支援会社を起業・経営するSINEORA今井氏(写真左)は、尊敬する女性のお一人です。今年のVivaTechでもSINEORAは、日本企業向けツアーを主催。私も参加し、選りすぐりの注目スタートアップを紹介いただきました。写真右は、世界中のオープンイノベーション、スタートアップを取材されている日経新聞社 上田氏。
Agorizeパリ本社でのサイドイベントでスピーチするNARA FRANCE林氏
もうお一方、尊敬する女性、林薫子さん(NARA FRANCE代表)。日仏のコミュニケーション・ネットワークづくりのプロフェッショナルで、私もたくさんの方と繋げていただきました。林氏・今井氏・日経 上田氏の共著「フレンチテック」を手にsante(乾杯)!(VivaTech中にパリAgorize社で開催されたサイドイベントにて)

JAPANパビリオンも多様性がありました!「Tokyo’s ecosystem」セッションでは、東京都が牽引する SusHi Tech Tokyoや、TiB(2024年5月に有楽町にグランドオープンした東京都運営のイノベーション拠点)について、男性も女性も元気な若手がピッチ登壇しており、勢いを感じました。

東京都の方にお聞きしたところ、2024年5月に開催した「 SusHi Tech Tokyo グローバル・スタートアップ・プログラム」でも、”女性登壇者4割!”を実現したとおっしゃっていました。素晴らしいですね。

学生も多く参加していました。スタートアップへ就職希望の学生も多いそうです。VivaTech最終日は一般解放デーとなり、子ども向けイベントなどが開催、家族で気軽に遊びに来れる無料の週末イベントに変貌します。今年の最終日を見学したところ、ロボットに興味津々の子どもたちや、La Poste(フランス郵政公社)ブースの採用コーナーで相談する多くの学生の姿を見かけました。

ファミリーゲスト

刺激ポイント②コミュニケーションは英語!:まだまだ必須の語学力

もう一つは、やはり言語です。フランスでもビジネスの共通語は英語で、会場でもフランス人含め全員が、英語でピッチや商談を進行していました。もちろん、日本のスタートアップやビジネスリーダーも堂々と英語で話していました。

翻訳ツールの進化で英語習得の必要性は薄れた・・・と言われていますが、翻訳機器を介して話す姿は、ほぼ見かけませんでした。海外の方からは、「英語が話せないとビジネスをするのは難しい」という正直な意見も聞きました。シビアな現実です。せっかく会いに行くのですから、直接の意思疎通ができることは、とても重要と感じました。自分は話せなくても、信頼できるスタッフにコミュニケーションを任せている起業家社長もいらっしゃいましたし、やり方は色々ありますね。

私も、ビジネス英語、中級フランス語、さらなる上達を目指して日々研鑽します!

パリ発ビーガンスキンケアブランド Typologyオフィスも取材。左が創業者Ning Li氏。中央が日本市場担当の阿部瑛里佳さん。フランス国内EC(スキンケアカテゴリ)1位の急成長のフレンチテックです。アメリカ・ドイツでも人気の同社、ビジネスは全て英語で進行しているそうです。
JAPANパビリオンでMCを務めていたソリンさんは、NHKのEテレ「フランス語講座」でパリ担当レポーターだった方。フランス語学習者の私としては、お会いできた嬉しさに写真をご一緒してもらいました!

やはり生成AIがイノベーションの中心、世界中が競っています

AIを活用したソリューションの激増も、昨年との大きな違いでした。昨年2023年6月の時点では、生成AIのサービス実装は間に合わず、セッションで議論されるだけでしたが、今年はあらゆる領域で、AIビジネスが展示されていました。特に、AIアートは、展示会でも目立つわかりやすい活用例として、トレンドになっていました。

AI AVENUEのひとだかり
入口正面は、AIスタートアップが集結した「AI AVENUE」
AIアートスタートアップ Oxia Palus
Oxia Palus社。AI、分光イメージング、3Dプリントで、失われたアート作品を再現する技術を展示。写真はゴッホの “ふたりのレスラー”の再現。絵画の下に塗り隠されていた作品だそう
CultTech Associationブース
CultTech Associationのアート展示。AI、ロボット、コンピューター、そして、伝統的メディア(紙とペン)を使ったパフォーマンスアート

実体験で市場を知る、情報発信を続けること

マーケティング観点でも、市場・顧客を知り、現場を体感することは重要です。海外の大企業やスタートアップの発信手法、ブランディングなど直接見ることで、広報としての学びもありました。国内外をつなぐビジネスのご支援でも、ミライフがお役に立ちたいと思っています。

ちなみに、このミライフブログは様々なコンテンツを試す場でもあり、なかでも”イベントレポートの書き方”記事は常に閲覧数が多く、関心の高いテーマのようです。VivaTech開催前に公開した見どころ記事が、多くの方に読まれていることからも、話題のイベントに関するタイムリーなコンテンツは、アクセスを伸ばすことができます。

ミライフは、イベントレポート、事例紹介などの取材・執筆などの経験も豊富です。ぜひご相談ください。

ミライフは、独自の技術やサービスを持つ中小企業・スタートアップをマーケティングで支援します。英語対応も可能です。

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