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2024年VivaTechの見どころ紹介 パリのスタートアップの祭典「Viva Technology 2024」、日本に注目!
ミライフでは、顧客企業に未来につながるご提案ができるよう、最新のビジネス動向を日頃からウォッチしています。昨年、ミライフ代表の西山と森で参加したヨーロッパ最大のテック&スタートアップ見本市「Viva Technology 」に、今年も森が参加します。
2024年5月22日~25日にパリで開催される「Viva Technology 2024」、今年の特別招待国(Country Of The Year)は、なんと日本!JETROの出展するJAPANパビリオンには、過去最大の60社が参加します。
フランスは、メディアなどで言われている通り、アニメやゲーム、和食などの日本文化が日常に浸透しています。フランス人が親日的なことは、昨年のパリ訪問でも実感しました。また、東京都が進める「SusHi Tech Tokyo 」は、かなりフランスのスタートアップ振興政策を意識しているようで、VivaTechとの連携PRも行っています。
昨年のVivaTechでは、日本からスタートアップ数社などが個別で出展していましたが、大企業の出展はなく、日本人も目立ず、残念ながら存在感が薄かったのですが、今年の招待国参加を機に、日本のスタートアップの海外展開や、日欧のオープンイノベーションがさらに進んでいくことを期待します!
今回のブログでは、2023年の経験や事前情報をもとに、今年2024年のVivaTech注目ポイントをまとめます。
Viva Technology ってどんなイベント?
国際色も豊かで、欧米はもちろん、中東・アジアなど全世界から企業・スタートアップが集まるほか、アフリカとの関係が深いフランスらしくアフリカテックも多数出展します。昨年2023年の招待国は韓国で、50社以上のK-Startupが参加し、とても目立っていました。
昨年お話を聞いた日本のスタートアップからは、「フランスは日本のことが好きな方が多いのに、日本のスタートアップの参加が少なくて、もったいない」「米国の展示会とは全く違う反応があり、試す価値がある」など、ポジティブなコメントを聞けました。
開催国フランスのスタートアップ振興策「フレンチテック」
VivaTechの盛り上がりの背景には、フランスの国策であるスタートアップ振興策「フレンチテック(La French Tech)」があります。
2013年からスタートしたフレンチテックは、公的投資や税制優遇、グローバルな情報発信、国内外でのエコシステム形成など様々な形でスタートアップを育成、2022年にはユニコーン28社を達成するなど大きな成果が出ています。マクロン大統領も、毎年VivaTech会場を訪問し新たな経済政策を発表しており、政府の強力なサポートもVivaTechを盛り上げているんですね。
2024年のVivaTech、見どころ紹介!
昨年に続いて参加するミライフ森の視点で、今年のVivaTechで見ておきたいポイントをご紹介します。
① 大企業ブースで、各業界の課題とソリューションを知る!
VivaTechでは、大企業がスタートアップと協業したソリューションを展示しています。フランスの有名企業、LA POSTE(郵政公社)、orange(大手通信)、BNPパリバ(金融)、そして、モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)などVivaTech創設以来のパートナーが、昨年も大きなブースで展示をしていました。また、世界的有名な経営者・著名人がカンファレンスに登壇し、議論を交わします。昨年はイーロン・マスクが登壇し、会場の建物から聴衆があふれるほどの集客でした。
なかでも、毎年注目されているのがLVMHです。昨年も「The Dream Box」 をテーマに優雅なデザインの巨大ブースを出展、常に満員の大人気でした。
今年の「LVMH イノベーションアワード」(世界の有望なスタートアップを見出し、成長を支援するLVMHのプログラム)のファイナリストには、初めて日本のスタートアップが2社選出されました。全世界1,545社から選ばれた日本企業が、LVMHブースでソリューションを展示します。
先日参加したVivaTech事前イベント*では、LVMHジャパンのトマ・プリュネル氏が、LVMHアワードの理念やスタートアップ支援に関する日本での取り組みについて説明していました。スタートアップ支援プログラムを推進するため、各国に担当者を置き、存在を示していることにもLVMHの本気度を感じました。
アワード選出の2社は、それぞれファイナリスト選出の吉報を自社からも発信しています。
「日本初!ヘラルボニー、LVMH Innovation Award 2024で世界1,545社からファイナリスト18社に選出」
「ジカンテクノはLHMH Innovation Awardのファイナリストに選出され、ビバテックに出展します」
ジカンテクノ株式会社は、バイオマスを原材料にした高機能カーボンを開発するクライメート・テックです。ミライフの地元・大阪のスタートアップが、日本初のファイナリスト選出とは嬉しいニュースです。
LVMHは、必ず訪れるべきブースですね!
*【TMIP×日経イノベーション・ミートアップ】VivaTech 2024直前企画 欧州から学ぶオープンイノベーションの新機軸
② AI、気候テックなど最新テーマを深掘り
生成AIは、昨年に引き続きカンファレンスの主要な論点となり、AIスタートアップも多数参加します。フランスは世界的に有名な「Mistral AI」をはじめ、多数のAIスタートアップを輩出しています。世界中のスタートアップ・エコシステムに詳しいRouteX COO塚尾氏が主催のVivaTech事前セミナー*で、「フランスはアメリカに続き、AIプラットフォーマーの立ち位置を目指している」と語っていました。フランスをはじめ世界の企業が、どのようにAIを活用しているのか、色々な事例を見られると思います。
*【for VivaTech】現地の状況からみた日本とフランスのスタートアップ連携の機会・可能性
クライメート・テック、サステナビリティ分野では、ヨーロッパは多くのユニークなスタートアップがあります。昨年も、デジタル広告の温室効果ガス排出量を測定するスタートアップなど、驚くようなソリューションを知りました。”サステナビリティに配慮した企業だけが、消費者や市場に受け入れられる”という前提がヨーロッパにはあり、あらゆる分野でソリューションが登場していました。特に日本との違いを感じる分野なので、注目して見ることをお勧めします。
③フランスの地域圏、アフリカテックなど、日本からは見えにくい情報に触れる
私は、関西スタートアップを応援するNPO法人生態会で活動しているので、パリ以外のスタートアップ・エコシステムにも興味があります。昨年は地域圏ブースを詳しく見れなかったので、今年は、ぜひ各ブースで話を聞いてみたいです。ローヌ・アルプ地域圏(フランス第2の都市リヨン、ディープテックが強みのグルノーブルがある)、アキテーヌ地域圏(地場産業ボルドーワインの生産などでイノベーションに挑戦)、ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏(小都市アンジェのスマートシティ化が進む)など、気になる地域をピックアップしています。
アフリカテックのブースでは、日本からは見えにくいアフリカの課題や最新のソリューションを見ることができます。VivaTechは、プロダクトだけでなくコンセプト展示が多く、企業や地域がどの技術、どの課題に注力しているのかが、CESなど他の展示会よりよくわかる、と言われています。国・地域・業界などを横断的に見るのに適していると思います。
④ サイドイベントもお楽しみ!
VivaTechは、パリ中心部からメトロですぐの国際展示会場「パリ・エキスポ・ポルト・ドゥ・ベルサイユ」で開催されます。期間中は、VivaTech本会場だけでなく、パリの街中で公式・非公式問わずサイドイベントが行われます。例えば、出展企業がオフィスで取材会をしたり、イベント会場を借りて交流会をするなど、様々な形態があり、今年は、日本企業によるサイドイベントもあるようです。
インターカルチャー、インターナショナルなプロジェクトに関わり、経験を広げるためにも、私も、今年はできる限りサイドイベントに参加したいと思っています。
⑤ やっぱりJAPAN パビリオン!
そして、最後はやはり、特別招待国・日本の出展です。JAPANパビリオンには、50社以上のスタートアップ、6社の大企業(富士通、日立製作所 、三菱重⼯業、東レ、TOPPANデジタル、三菱UFJ銀行)、東京都や内閣府などが出展するとのことで、どんな雰囲気になるか楽しみです。生態会の活動を通してよく知るglafit株式会社(和歌山)や、mui Lab株式会社(京都)など関西のスタートアップももちろん参加します。出展社リストはこちら
JETROの樽谷氏は、VivaTech事前イベント*で
- 日本の強みを活かした6業種のスタートアップが集結
- 半数がシリーズB以上の資金調達済み
- 半数がクリーン&クライメート・テックのスタートアップ
- 来場者に印象づける実機展示・大型展示・飲食提供などの展示形態も多い
など、選出スタートアップについて解説していました。「近年では稀なほど、多くのスタートアップから応募があった」そうです。
昨年、招待国だった韓国ブースは、会場中央の人通りの最も多いエリアに大きなブースがありました。JAPANパビリオンがどのような展示を見せるのか、現地で確かめたいです!
自ら体験し、話を聞く。一次情報を大切に
学生時代からフランス語を学んでいましたが、ビジネスの場で活かせる機会はこれまでありませんでした。そういう意味でも、私にとってVivaTech(イベント自体の公式言語は英語ですが)での渡仏は、初心に帰り、心躍る機会です。
オンラインリサーチとは違う”生”の体験、一次情報は大変貴重です。昨年のVivaTech参加を通じて知り合った方々も何人もいます。自ら動き越境し、経験・知識を増やし、強みに繋げていく機会にしたいと思います。
「Viva Technology 2024」の会場で、ぜひお会いしましょう!
ミライフは、独自の技術やサービスを持つ中小企業・スタートアップをマーケティングで支援します。英語対応も可能です。
関連ブログ:
スタートアップの祭典、パリの「VIVA TECH」:(海外視察 Part2)
欧州最大テックイベントVIVATECH&日本とフランスを繋ぐSINEORA社インタビュー(生態会ブログ)
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