【イベントレポート】「“〇〇といえばあの会社”になるための広報術」関西広報100研究会 2025年7月

2025年7月、関西の企業広報担当者が集う「関西広報100研究会」に参加しました。今回のテーマは「“◯◯といえばあの会社”を目指す広報戦略」。 BtoB企業やスタートアップなど業種やステージの異なる広報担当者が、それぞれの挑戦や工夫を共有し合う場で、ミライフとしても多くのヒントを得ることができました。

西山の挨拶の様子
ミライフ西山が研究会の代表として、冒頭挨拶しました

■「純粋想起」とは何か?

まずは、ハッピーPR株式会社/ シナジーマーケティング株式会社  の広瀬氏による、「〇〇といえばあの会社」を表すマーケティング用語「純粋想起」の解説からスタートしました。

「純粋想起」とは、生活者に何のヒントも与えず「〇〇と言えば?」と尋ねたときに、最初に頭に浮かぶ企業やブランドのことです。例えば、「自動車といえば?」「トヨタ」と答えるのが「純粋想起」の例ですね。

PR TIMES マガジン「ブランド認知とは?認知度を高めるメリットや測り方、ブランディングの方法を解説」でも解説されていますので、参考にしてください。

事例① eWell:在宅医療DXで「想起される企業」へ

訪問看護向け電子カルテなど在宅医療DXを支援する株式会社eWeLL から、広報 楠見氏がトップバッターとして登壇しました。「ひとり広報/兼業広報」として様々な責任を担う楠見氏より、2年間の広報経験から得た多くの学びをシェアされました。

同社では、今年の広報活動の注力テーマを「在宅医療DX」の認知拡大と設定、そのために、自社だけでなく業界全体について知ってもらうことも重視して、様々な情報発信に取り組まれています。

スタートアップ企業らしい「まずやる・すぐやる」という実践重視の姿勢、「ひとり広報」とは思えない多くの活動に驚きました。印象的なニュースリリースにするための工夫や、五大紙・テレビ局の取材を獲得したアプローチ方法など、効果があった手法も惜しみなく共有いただき、発表後の質疑応答も盛り上がりました。

 事例② サンプラテック:創業65年、初の広報担当が挑む“社内外”に伝える活動

今回の研究会の会場となったのは、創業65年のプラスチック製理化学機器メーカー 株式会社サンプラテック。大阪・関西万博で大注目の、iPS細胞の心筋シートの容器は、同社が提供しているそうです。5年前に完成した新社屋のコミュニティ・スペースを提供いただきました。リラックスでき話が弾む素晴らしい会場でした!

創業65年で初の広報担当として2年前に着任した大塚氏が、どのように活動を進めているか発表されました。「ビーカーやメスシリンダーなどの実験器具をプラスチックで作っている会社」という、消費者からは遠い存在とも言えるBtoB企業として、まずは会社名を知ってもらい身近な存在になっていこうと、SNSやオウンドメディアなどで積極的に発信しているそうです。

広報担当2名ながら、企画・撮影・編集・投稿など全て内製化(社内で実施)、SNSだけでも8つのアカウントを運用し、Xフォロワーは入社当時の28名から2年で2,000名超に増加するなど、多くの成果をあげています。

「社員が自社を好きになること」が広報の第一歩という考えから、社内報や社内ラジオなど、社内とのコミュニケーションも大切にされているそうです。大塚氏は普段から、コミュニケーションを大切にし、社内を少しずつ巻き込んでいくこと、常に新しいことに楽しく挑戦することなどを心がけているとのことで、SNSアカウントの楽しく明るい印象そのままの発表でした!

サンプラテック社ショールーム「Pla.studio(プラスタジオ)」
サンプラテック社ショールーム「Pla.studio(プラスタジオ)」では、万博に提供した容器をはじめ、国際宇宙ステーションで使用される実験用培養容器など様々な製品がありました

事例③ 三和建設:「熱中症対策といえば・・・」を目指して

「3K」と揶揄されがちな建設業のイメージを変えたい!そんな想いで広報に取り組むのが、三和建設の北纓氏です。これまで9年にわたり積み重ねてきた「熱中症対策」に関する広報活動について発表されました。

社会課題に対する自社の取組みを伝えられるよう、現場の声を届ける独自アンケートや官公庁データなど様々な切り口を検討し、熱中症対策に関するニュースリリースを9年間で16本発信したそうです。これにより、今年2025年のメディア露出でいえば、57件のうち36件が「熱中症対策」関連と着実な成果をあげています。

何度も取材を経験することで社内の広報対応力も向上し、即日依頼でも建設現場のメディア取材に対応できるとのこと、すごいですね!北纓氏から会場に向けて、「諦めずに続けていきましょう」というメッセージには、参加者一同、深く共感しました。

大手新聞社のメディアゲストから、最新情報を学ぶ

毎回、研究会ではメディアゲストに登壇いただき、メディアの視点からの広報活動についても学んでいます。今回は、大手新聞社支社長をお招きし、デジタル時代のメディアと広報の関係についてお話しいただきました。毎日読んでいる新聞記事の裏側や最新の動向をお聞きし、大変勉強になりました!

会場全景
広くて明るい会場、吹き抜けもあり開放的、リラックスした雰囲気で、いろんな話ができました

関西広報100研究会の「100」とは

関西広報100研究会は2015年1月のスタート以来、2か月に一度のペースで、研究会を開催しています。いつも冒頭に、代表の西山や副代表の方が会の目指すものを説明しますが、その時に話される、関西広報「100」の由来をご紹介しますと・・・

  • 100のメディア掲載を目指す(広報さんそれぞれの目標)
  • 100人の記者とつながる(すでに達成)
  • 100人の研究会の会員を得る(すでに達成)
  • 100回の開催を目指す(短期的な会ではなく、長期的に開催)

最後の「100回開催」は、始まった当初は夢のような目標でしたが、2-3年後の達成が見えてきました。毎年のように開催している合同記者発表会も好評です。

昨年の合同記者発表会の様子(過去記事)

記者発表会から見るPRの重要性 :関西広報100研究会 第7回合同記者発表会より

毎回の研究会は幹事が交代で企画開催する仕組みで、全員参加型でスムーズに運営されています。関西にご縁のある広報さん(本社がある、拠点があるなど)、ご興味あればぜひ、研究会HPもご覧ください。

関西広報100研究会:https://kansaikoho100.jp/

ミライフは、独自の技術やサービスを持つ企業をマーケティング広報で支援します

ミライフは、広報・ブランディング・マーケティングの戦略策定から実行まで伴走支援するマーケティングの外部パートナーです。大阪・京都・兵庫を中心に全国のBtoB企業、中小企業、スタートアップ(ベンチャー)の支援をしています。

マーケティング戦略や広報戦略、事業戦略などプラン段階から、広報のネタ探し、メディアアプローチ、取材対応などの実行支援まで、丁寧に柔軟にサポートします。

今、悩んでいる課題があるという方には、スポットコンサルティングも行っています。お気軽にお問合せください。