データと事例、独自の一次情報で話に説得力を

増える、関西のスタートアップ解説の登壇機会

私が事務局長を務めるNPO法人生態会に、「関西スタートアップの状況を解説してほしい」というご依頼を、最近よくいただきます。テレビや新聞でも、スタートアップ関連のニュースや特集を見かけますし、YouTube専門チャネルも充実してきています。若きスタートアップ社長の挑戦や、新規上場を遂げた成功例を目にすることも増えてきました。しかし、変化が激しく、未上場で情報が少ないスタートアップ企業の実態は、なかなか分かりにくいもの。特に関西の全体像は、十分に把握されているとは言えません。そこで生態会は「関西スタートアップの可視化」をビジョンとし、「誰よりも関西スタートアップの情報を理解する」ことを目指して2018年から活動しています。その中で得た情報を広く発信する機会をいただけるのは、ありがたいものです。

希少で独自の情報は、どのように得ることができるか

昨今、インターネットでどんな情報もすぐに得られると思われがちですが、スタートアップの情報を集めてしみじみ感じるのは、「本当に重要な情報はネットには流れていない」ということです。すごい技術があるものの、会社のホームページも持たず、地道に研究を続けているという会社に出会うこともよくあります。また、莫大な資金を投じる投資家も、ふだんは目立たぬように、ひっそりと過ごしていたりします。真に必要な情報は、人を通じて得られるもの。また、信頼できる人にしか、伝わってこないものです。そこを何とか知るために、時間を使って、足を運んで、何度もやり取りをするなどの労力をかけると、他では知られない情報をつかむことができます。

また、公開されている情報でも、自分が知りたいことはまとまってはいないことが多いもの。たとえば、関西のスタートアップが資金調達をしているのは報道され、その資金調達の額も個別に発表もされています。しかし、過去5年の資金調達件数、増減額、平均値や中央値などは、データを集めて集計分析をしないと得られません。この地道さ、継続性こそが、独自性となります。

MBS(毎日放送)やIPOチャンスセンターでの登壇発表で

2023年12月26日には、「REACH REACH×生態会 合同セミナー&懇親会」として、大阪市北区にあるMBSの立派な「ちゃぷらステージ」で、関西スタートアップの状況についてご説明しました。この日は、現役の経済担当キャップの講演や、スタートアップのピッチもあり、非常に盛況でした。詳しいレポートも公開されていますのでこちらをどうぞ。

REACH REACHは、関西のスタートアップ経営者の発信力を高め、ビジネスゴールに繋げるサポートを提供。

また、2024年2月26日には関西IPOチャンスセンターの100回記念で、「変化する関西スタートアップ近況~2023年を振り返り今後の展望を考える~」と題して、私から解説をしました。こちらは、関西のスタートアップ法務に詳しい飛翔法律事務所が運営し、IPOに関わる情報を共有する会です。当日も、公認会計士や弁護士の先生、証券会社や取引所の方々など、スタートアップの現場を知る方ばかりが集まっておられました。

かなり緊張しましたが、関西の状況を説明するデータ、スタートアップ経営者から直接聞いた一次情報を使って客観的に話すように心がけました。懇親会で、「あのグラフを見てなるほどと、思いました」「関西のスタートアップ情報は、生態会が本当によくつかんでいますね」などのうれしい言葉をいただき、ほっとしています。

アウトプットを意識して、事例や一次情報を活用する

最近読んで感銘を受けた本として、内田和成氏の『アウトプット思考 1の情報から10の答えを導き出すプロの技術 』があります。情報があふれる現代において、10の情報を集めることに時間をかけるのではなく、仮説を駆使し、アウトプットのための目的やターゲットを見据えて、1の情報から10の答えを迅速に得るというものです。情報通はもはや評価されない、「とりあえずインプット」がむしろ、競争力を失わせるとありました。今回も、登壇というアウトプットの機会から、思考を深めることができたのは良かったです。

本の中で特に共感したのは、「事例ほどパワフルな説得材料はない」「自分が直接見聞きした情報(一次情報)は、圧倒的に強い」です。特徴的な会社の事例を説明すると、聴衆も具体的なイメージが湧きます。また、私自身が現場に行って経営者に直接聞いた話だと、さらに力も入り、自信を持って話ができます。また、ミライフの顧客へアドバイスする際にも説得力が増し、ご支援の役に立ちます。

本に紹介されている思考や技術は、かなり使える内容です。今後の研修で、お勧め本の一つに入れようと思います。

AIに決して代替されない自分になるために。アウトプットから始める知的生産の技術。

 

事例の大切さは、ミライフの別のブログでも紹介しています。BtoB企業のブランドを強める顧客事例記事の作り方【実例記事も紹介】

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