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理解すべきはユーザーの声:Next Marketing Summit 2019
国内最大級のアプリマーケティングイベント、「Next Marketing Summit 2019」に参加しました。最近アプリの企画開発に関わっており、先端事例の情報収集です。今年3回目のこのイベント、アプリ業界の第一線で活躍するマーケッターや広告代理店、広告メディア、ツール事業者、650名がベルサール新宿グランドに集まり、にぎわっていました。
参加料は、アプリのマーケッターやプロデューサーが14,800円、広告代理店や広告メディア、ツール事業者が29,800円と、高額です。すごいですね。ちなみに、自腹で行きました。
印象に残ったセッション、マーケッターとして気になったことをレポートします。
[1] AI時代到来!アプリの成長はAI活用でどう変わるのか
まず、「人工知能」「機械学習」「ディープラーニング」の解説から。どれもよく聞く言葉ですが、その違いを明確に答えられる人はどれくらいいるでしょうか?人間と同様の知識を実現させようというAI(人工知能)と、特徴をつかむ機械学習、マシンが特徴を自動定義するディープラーニング。2006年からディープラーニングの研究が進んだので、第三次AIブームが生まれたということです。
そういえば昨年、データベースの会社のお仕事をしている中で、世の中のデータ量が爆発的に増えているという話を聞きました。スマホやSNSの普及でデータが次々と生み出され、また「構造化データ(数字や文字)」に加え「非構造化データ(位置情報や画像など)」が使われるようになったからです。技術の進歩でAIの活用が実現化される一方、有り余るデータをどう使うか、その設計が課題です。
セッションでは、AIのタイプは、1)効率化(人間代行型)と、2)新しいサービスや価値の提供(人間拡張型)があること。AIはデータが必要だが、既存のデータがない2)は成功が困難であること、コンセプトをしっかりさせ、小さくても早く始めて改善をし続けることの重要性が語られました。
効果的なトレーナーの指導パターンや継続率の高いユーザーの傾向を分析するダイエットアプリのFiNCや、ハンドメイド製品検索で類似のものを表示してクリック率を上げたミンネの例などが紹介されました。AI活用により、アプリはより強力に進化していくようです。
スピーカー(敬称略):梅野 真也 / 株式会社mynet.ai、南野 充則 / 株式会社FiNC Technologies、野口 竜司 / 株式会社ZOZOテクノロジーズ、廣崎 圭 / GMOペパボ株式会社
[2] モンスト、オセロニア・・・愛され続けるゲームの秘訣を探る!長寿ヒットタイトル対談
次は、おなじみのゲーム会社のセッションです。日本のスマホゲーム市場は1兆4千億円にもなる、巨大マーケット。多くのゲームが毎年発売される、レッドオーシャンです。似たような機能を持つゲームがどんどん出る中、支持を得るため、各社工夫を続けています。
人気タイトルを持つ登壇者からは、ユーザーの状況やニーズの把握をし、常に期待値を超える必要があるという話がありました。ユーザーが意見を言える場をTwitterなどで提供するのも、ユーザーを巻き込む効果があるようです。
印象的だったのは、「1万人のイベントを一回するより、100人のイベントを100回開催して意見を聞くほうが良い」ということ。大勢のユーザーを対象にし、大量のデータが生まれるスマホゲームでも、人の声を一人一人、質的に聴いて理解する必要があるのは、他業界のマーケティングと変わりません。
愛され続けるゲームは、それだからこそ、ユーザーの声を徹底して聞き、時代に合わせて改善強化を続けているようです。
スピーカー:佐藤 基 / 株式会社MOTTO、今西 陽介 / 株式会社ディー・エヌ・エー、
大森 達也 / 株式会社サムザップ、多留 幸祐 / 株式会社ミクシィ、村山 秀幸 / ポノス株式会社
[3] 変化する日中ゲーム市場、中国ゲーム会社は日本市場をどうとらえているか
今回、個人的に一番楽しみにしていたセッションです。登壇者のIGG森岡夢信さんが大学生の時、仕事を手伝ってもらったことがありました。中国に留学し、中国語が堪能な森岡さんは、そのスキルを活かして中国のゲーム会社の日本法人で活躍しています。
中国企業は意思決定のスピードが速く、質が低くても試して、ダメならすぐ変更する。マーケティングの担当者が営業利益も追う、広告の総予算というものはなくROIで回収し、売れればどんどん広告を出せるなど、驚きでした。
日本のゲーム市場は大きな変化がないので、中国企業は日本で発売するのは後回しにすることもあるようです。成熟した日本社会のガラパコス化は、スマホゲームという最先端の世界でも課題になるのでしょうか。
スピーカー:坂本 達夫 / Smartly.io、北阪 幹生 / 崑崙日本株式会社、森岡 夢信 / IGG Inc.、李 衡達 / 株式会社Yostar
650名が参加した、Next Marketing Summit 2019。ネクタイやスーツ着用者が10%もいない、若く、自由で、ダイナミックなイベントでした。しかしそこでは、「顧客」「ユーザー」心理の追及という、マーケティングのベーシックが語られていました。AIの活用や台頭する中国市場など、技術や環境の変化により、Next Marketingとして打つ手は変わってきます。それらの変化を見逃さないようにしつつ、変わらない「人」の心の重要性も認識していくべきだと思いました。
写真はすべて、Next Marketing Summit事務局より提供
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