2025海外視察3:ディジョン編 〜マーケティング学会で発表〜

2025年6月9日~7月6日、約4週間の海外の旅に出ました。パリ編 ~スタートアップ取材と人との交流~ リヨン編 〜59歳の語学学校+ホームステイ体験〜 に続き、今回はディジョンのマーケティング学会(2025年7月2日~4日)の発表をお届けします。

海外の学会に参加したい!数年前から挑戦を続けて

日本マーケティング学会で何度か発表しているのですが、ビジネススクールの教授に「海外でも発表してみたら?」と励ましていただき、一度は行きたいと思っていました。2024年に発表した論文を、海外用に英語に訳し、解説を加えたものを、マーケティングサイエンス学会(Academy of Marketing Science)に応募したところ、2025年に採択されたと連絡が来ました。論文のタイトルは「海外から日本に進出するスタートアップ企業の成功要因― マーケティング・パースペクティブ―」、英語では次のように訳しました。

Critical Success Factors for Foreign Startups Entering Japan
– Marketing and Leadership Strategies –

実は、2022年に「コロナが働く女性に与えた影響」という論文で応募したのですが、その時は不採択…。海外の人には、日本の働く女性の現状などは理解しにくかったかと思い、今回は単に英訳するだけでなく、文化的な説明や捕捉を詳しくしました。

採択の結果が出るまでに、この学会から、起業に関する他の方が書いた論文について、私にも査読の依頼が来ました。驚きましたが、「学会運営は、もちつもたれつ」と教授に聞いて、がんばって読んでコメントをしました。貴重な体験でした。

リヨンからTGV(超高速列車)で1時間半、ディジョンの大学

マーケティングサイエンス学会は、年に二回のカンフェレンスがあり、北米とそれ以外の地域で開催されます。今回の会場は、フランスのディジョンにあるビジネススクールです。ディジョンはブルゴーニュ地方の州都で、有名なロマネコンティの畑がある地域です。地域がらか、ワインのマーケティングに関する発表も、多数ありました。ワインが文化であるということを表すのに、比較として「日本のSake(酒)」を取り上げている方もいて、興味深かったです。

学会3日目、緊張しながら論文発表

私は今回、Creating Value Through Innovation and Storytelling がテーマの教室で発表することになりました。カナダの教授、イギリスの博士課程の学生、そして私の3人が、同じセッションとして発表しました。

他の2人が長時間話し、博士課程の学生には聴衆から口頭試問のようなコメントが寄せられたので、時間が押して、ひやひやしました。が、何とか私の番になり、練習を重ねた英語発表を終えました。ドキドキしましたが、無事に終わってホッ。

スタートアップに関する発表はテーマが様々
論文内容を英語で発表

ネットワーキングも重要な、海外の学会

日本マーケティング学会のカンフェランスは、一日で終わりますが、こちらは3日間もあります。昼も夜も、懇親会や文化ツアーなど、交流の機会がてんこ盛りです。海外の学会は、だいたいそうらしいです。

日本のカンファレンス参加費用は13,000円(早割)ですが、こちらはなんと$595(87,375円 早割)!まあ、しかしプログラムは充実していましたし、世界中からマーケティングのあらゆるテーマについて聞くことができたので、価値はありました。3日間、日本人には一人も会わず、交流会は大変でしたが、がんばっていろいろな人に話しかけました。

ところで、懇親会で出されるワインは、さすがのクオリティでした!飲むもの、すべてが美味しかったです。文化ツアーではワインの地下蔵を訪問し、歴史や文化を学び、たくさん試飲しました(ちょっと飲みすぎて、最後の方は、よく分からなくなりました。もったいない~)。

ユネスコ文化遺産にも登録。美食とワインの街、ディジョン。

学会をきっかけに、初めて訪問したディジョン。フランスの美食文化を積極的に発信しようとしていると知りました。2022年にオープンした「美食とワインの国際博物館」では、ワインの歴史やその文化などを詳しく知ることができます。ワインの試飲のコーナーでは、日本の名古屋に留学したことがあるという(最高の思い出だトカ)フランス人の方が、丁寧にワインについて説明してくれました。

今回のフランスの旅は、パリ以外の地域の魅力を知る良い機会となりました。また、ホームスティや語学学校、学会の発表など、一度はやってみたかったことが経験できて、大満足です。年をとっても、やろうと思えば何とかなるものだと認識しました。

交通機関を自分で調べて、迷いながら目的地に着いて、予定を何とかこなすことができると、大きな達成感がありました。またこれからも、未知の国や都市に行き、初めての体験をして、知見を広げていきたいと思います。

ミライフは、独自の技術やサービスを持つ中小企業・スタートアップをマーケティングで支援します。英語対応も可能です。

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