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海外の学会で論文採択、Academy of Marketing Scienceで7月に発表します
日本マーケティング学会に昨年出した論文を加筆して英語にし、海外のマーケティング学会「Academy of Marketing Science」に応募しました。先日、無事「採択」されたと連絡が来ました。2025年7月に、フランスのディジョンで発表します。
Academy of Marketing Science(AMS)とは
世界中の学者やマーケティングのプロフェッショナルが集うこの学会は、50年以上の歴史があり、イベント開催やジャーナルの発行をしています。毎年二回、大きなカンフェレンスがあり、その一つの年次総会は北米で開催されます。もう一つは世界マーケティングの会として、海外各地で開催され、国境を越えたつながりや連携を創出します。2025年5月にはカナダのモントリオールで、7月にはフランスのディジョンで開催される予定です。
実は2023年にも、日本マーケティング学会に出した論文 コロナ禍による就労環境の変化が,働く母親へ与えた影響 ―女性の活躍を可能とするパラダイムシフトの出現― を、AMS(当時はイギリス開催)に応募しました。しかし、残念ながら不採択…。
日本女性の就労環境を海外の人に伝えるには、かなり補足や加筆が必要だったようです。当時は忙しかったこともあり、翻訳ソフトを借りながら、日本語の論文を英訳したのみでした。言語的・文化的な調整の不足が、敗因の一つであったと思います。
今年はフランス、しかも私の好きなワインが有名な街での開催です。行ってみたいと思い、再度挑戦しました!2024年に発表した論文の『海外から日本に進出するスタートアップ企業の成功要因』というテーマは、外国人のマーケッターにも理解しやすそうです。実際、成功しているスタートアップの例として、フランス企業もこの論文の事例に入っています。
二年前と違って、ChatGPTが登場したことも英語論文作成の際に、大いに助けとなりました。「論文調に格調高く」と指示すると(プロンプト)、それっぽいかっこいい文章が、あっという間に出てきます。しかし、日本語から英語への文化的な翻訳がうまく行っていないこともありました。たとえば日本語では主語や述語を省略しがちですが、英語の文章は何かを入れる必要があります。ChatGPTは、思っているのと違う人を入れて、想定と違う意味になっていることがありました。また、私が読んでもいない論文を引用して結論を作るなど、驚くような改善(?)をしてくることも。論文で言いたいこととは違う内容になっていることもあり、細かな確認が必要です。ともあれ、論文に適した英訳をして、GrammeryというAI文法チェッカーを使って調整すると、良い感じの英語論文ができました。技術の進歩はすごいですね。
論文の査読・評価を初体験
応募して結果連絡を待つ間に、他の人の論文をReview(査読)してほしいとのリクエストが、AMSから来ました。
「えっ、私が評価者の側になるの?自分の論文が採択されるのかもわからないのに、いいの?」とたじろぎましたが・・・。マーケティングの指導教授によると、学会は「お互い様」で成り立っているので、すぐ査読が回ってくる、そうです。
テーマは「イギリスとドイツのスタートアップの初期において、ブランドつくりのために必要なもの」で、内容的にはよく分かるものでした。その分野で知見のあることを考慮して、査読者を選んでいるのですね。日本でも「あるある」の失敗や成功が紹介された論文で、興味深く拝読しました。先行研究を綿密にし、インタビューは40名もされています。大学の研究者の論文のようです(査読の際は、名前や肩書などの表記はなく、匿名です)。良い論文だったので、8割は肯定的・2割の改善案をコメントして、「採択」を選びました。私以外の査読者2名のコメントも、共有されました。他の人は6割肯定的・4割改善案というバランスで、しっかりとコメントが書かれています。改善案を出すというのは難しく、かなり読み込まないといけません。ちゃんと時間をかけているんだなーと、感心。良い経験となりました。
AMSからの結果の連絡
その後、AWSから論文の採択の可否について、メールでの連絡が来ました。
Congratulations on the acceptance of your paper “Critical Success Factors for Foreign Startups Entering Japan: Insights from Marketing and Leadership Strategies” for presentation on the program. (『海外から日本に進出するスタートアップ企業の成功要因:マーケティングとリーダーシップ戦略のインサイト』の論文が採択されました。おめでとうございます)
この一文に大喜びしたのですが、そのあとに続く査読コメントは厳しいものが多く、先行研究が少ない、論理や分析が弱いなど…
よく通ったなぁという感じでした。
とはいえ査読者の長いコメントは、すべて改善案と一緒になっています。しっかり読んで考えていただいています。発表の際には参考にして、強化していこうと思います。フランスでの発表、聴衆からどのような反応が得られるのでしょうか。他の方の発表を聴くのも含め、大変楽しみです。
2025年世界マーケティング学会(フランス)の紹介動画には
マーケティングの理論と実践の探索、世界的なウェルビーイングの強化、企業の強みをより強固にするなど、目指すことが説明されています。そして、ディジョンの美しい街、美味しい食事やワインのブドウ畑なども、魅力的ですね。
2018年から出しているマーケティングの論文 過去のテーマのまとめ
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