イベントレポート: 「子連れMBA®」論文ワークショップ「【アフターコロナは子育て世代の戦力化で差がつく】 女性活躍のカギは『適性』と『環境』」で代表の西山が講演

ミライフ代表の西山がサポーターを務める、「子連れMBA®」Powered by一般社団法人ぷちでガチは、2月24日、論文ワークショップ「【アフターコロナは子育て世代の戦力化で差がつく】 女性活躍のカギは『適性』と『環境』」を開催しました。西山は講師として、日本マーケティング学会で2022年に発表した、【コロナ禍による就労環境の変化が,働く母親へ与えた影響】についての論文報告を行いました。子育て中の働く母である私、八尾も参加してきました。

この日は現地とオンラインとのハイブリット開催で、現地の大阪公立大学文化交流センターには20人以上が集まりました。会場内にはキッズスペースが設けられ、8人の子どもも一緒に参加。笑い声や泣き声も飛び交い、和やかな雰囲気の中スタートしました。

冒頭では子連れMBA® 赤坂美保代表理事から、団体の活動についてのご紹介がありました。

子連れMBA®とは

お子様も一緒に参加。退屈せずに済むので助かりますね

育休中や復職済のワーキングマザー・ファーザーにむけた経営学講座を7年間、 100回以上開講してきた子連れラーニングコミュニティ。MBAとは「Makers of Business Art」を意味する。関西・京都の数人の育休者の勉強会から始まり、のべ4000人以上の子育て世代が参加。2021年からは国内外から参加できる完全オンラインにシフト。「半径5mからのチェンジを起こす」をスローガンに、参加メンバー自身が活動を推進・運営している。
運営は「一般社団法人ぷちでガチ」。この名付け親でもある西山は、子連れMBA®の活動を初期から支援をしており、実はミライフメンバーの森と出会ったきっかけにもなりました。

西山講演:“2度の育休と時短労働、リモートワークを経験し育児とキャリアを両立”

西山の講演前半は、大学卒業後から11年間P&Gでマーケティングに従事してきたことや、その後ITスタートアップ企業での経験、ビジネススクールに入ってから独立に至るまでをお話しました。

P&Gでは「育児休暇を二度取得した最初のマーケティング担当者であり、時短労働制度を利用して職場に復帰をした」ということから、キャリアに対して会社側の理解があるように思われましたが、「パンパースに配属され、自分の育児経験を活かせると思って意気込んだが、自分以外のチームメンバーが全員独身男性であり、配慮があったとは言え、長時間労働や遅い時間の会議がベースだった」という苦労も。制度や配慮があったとしても、なかなか男性と同じように機会を得ることは難しいのだなあと感じました。

小さな男の子もおりこうさんに聞いていました

西山はその後、2人の子どもの育児との両立に悩み、P&Gのアメリカ人上司に誘われたことをきっかけに、2000年に東京のITスタートアップ企業に転職。当時では大変珍しく、関西から完全リモート勤務をし「子どもが熱を出しても横で見ながら仕事ができた」と、子育て中の女性にとってのリモートワークのメリットを実感したとのことです。

コロナは働く母親にとってエポックメイキングに

後半は、日本マーケティング学会発表論文を発表。コロナ禍で働く母親12人にインタビューした結果、

  • 働く母親たちは仕事や家族への意識変化があったと回答
  • その理由としては、テレワークが可能になったことで場所や時間の制約が減り、仕事への適性や発揮力が高まったことや、配偶者や子供との関係や家事育児の分担が改善されたことなどが挙げられた
  • 自己投資や昇進意欲も高まったという声もあった
  • 消費者行動にも変化が見られており、服や化粧品などの支出は減り、食や趣味などの支出は増えた

など、コロナは働く母親にとって、エポックメイキングなものになったということがわかりました。テレワークによって制限がなくなったという直接的な効果だけでなく、夫婦の関係の改善や、高額な自己投資(起業セミナー60万円を投資された方も!)など、副次的な効果について知り、とても興味深かったです。

 

私自身も、去年からスキルアップのために大学院に通っているのですが、コロナで時間ができたことがきっかけだったなぁと、共感しながら聞いていました。

会場には、アンケートに参加された方が2名いらっしゃり、急遽登壇いただくことに。「コロナ禍で在宅勤務になり、通勤時間がなくなったことで、フルタイムに戻せた」「コロナ禍で子連れMBA®に出会い、意欲的な方々に刺激を受けたことで大学院に通うことができた」「自分だけではなく男性社員も含めてみんながリモートになったことで、不利に感じることが減った」という、生の声が語られました。

 

甲南大学 経営学部 奥野教授:コロナ禍の働き方変化は企業側にもメリット

西山の発表を受け、子連れMBA®を運営する一般社団法人ぷちでガチ理事、甲南大学経営学部 奥野 明子からまとめの講義がありました。コロナ禍における働き方の変化は、個人にとって

  • 自分の適性に合わせた場所で仕事ができるため、効率的に働くことができる
  • オフィスにいなくても不利にならないため、自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能に
  • 通勤時間がなくなることにより、短時間勤務を解消し、フルタイムで働けるようになる

というメリットがある一方

  • 労働力を適正な場所に配置することができ、効率アップが期待できる
  • 通勤時間の短縮により、フルタイムで働ける人材が増え、人材確保ができる

という、企業側のメリットも述べられました。

コロナは企業にとっては暗い話題の印象でしたが、労働力の観点では追い風となっていたのですね。一方、テレワークによるコミュニケーションの質の低下は問題となっているため、これを補うための方法を考えることも必要だと強調されていました。

グループワーク:現実は甘くない・・・でも若い世代には希望も!

講義の後は、5つのグループに分かれて、感想や自身のコロナ禍出の変化、それをどうキープしていくかという点について話し合いました。会場には奥野教授のゼミ生たちも来ており、一緒に議論に参加しました。自身と同じ立場の方々の話を聞いた後だったためか、皆さんもう話したくてうずうずしていた様子。せきを切ったように話し始め、制限時間を超えても盛り上がっていました(笑)私も、産休育休が暇で辛かったという話をしたのですが、いつもは誰も共感してくれないのに、この場ではそうそう!と共感してくださる方が多く、とても嬉しかったです。子育てやキャリアの先輩方の話を伺い、自分もまだまだいろんなことにチャレンジできそう!と、希望が持てました。

グループの発表からは、コロナ禍でリモートワークや転職、進学、起業など大きな転換機となった経験のほか、「当事者としてはすごく当たり前と思っているところもそうでない人にとってはきちんと説明しないと理解してもらえない」「企業側の仕組みや環境が整わないと理想通りにはいかない」という現実も見えました。

ゼミ生からは「子どもがいてもみんな凄く生き生きしていて、自身がもし結婚して子どもができてもこうなりたいと思った」という意見もあり感激!この次の世代のためにも、私たちが環境や制度を変えていかないといけないなと、使命感を持ちました。私は今回初めて子連れMBAに参加しましたが、学びが多いだけでなく、バイタリティ溢れる素敵な方々に出会うことができたのが良かったです。

 

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