中小企業診断士×広報PRの視点 :「知的資産」の活用が企業を強くする!

私は、PR・マーケティング分野での企業支援に加え、2022年から中小企業診断士(中小企業の経営診断・助言を行う専門家/経営コンサルタントで唯一の国家資格 )として活動しています。まだまだ”駆け出し診断士”ですが、経済産業省や内閣府、中小企業庁などの産業振興策について勉強を進めるなかで、企業のマーケティング・広報PRの現場経験を裏付けるような理論・施策を知り、勇気づけられることが多くあります。

この記事では、そんな「中小企業診断士×広報PR」の視点から、”私の発見”を2つご紹介します!

①会社の健康診断ツール「ローカルベンチマーク」で、あなたの会社も健康診断を!

リソースの限られている中小企業にとって、”今ある強みを最大限活用する”ことは欠かせません。中小機構などの公的支援機関や中小企業診断士の仲間と話していても、「強みの見える化」の重要性は共通認識となっています。とはいえ、自社の強みを言語化するのは難しいものです。

そんな時に使えるツールとして、経済産業省が提供しているのが、会社の健康診断ツール「ローカルベンチマーク」(通称:ロカベン)です。金融機関や商工会議所など中小企業の支援機関で活用されていますが、一般の方々には馴染みが薄いはず…。使いやすく、おすすめのツールです!

ローカルベンチマークは、3枚のシートで構成されており、経産省サイトでダウンロード可能です。

ロカベン作成の目的は「経営状況・経営課題の把握(見える化)」です。特色は、財務情報だけでなく、「財務」と「非財務」の両面から企業の健康診断を行う点にあります。

「非財務」分析では、①業務フロー、②商流、③4つの視点から強みや課題を発見し、課題解決のための対応策を考えていきます。業務フロー分析であれば、自社の製品・商品・サービスの提供プロセスを5段階に分けます。例えば、

  • サービス業 ①営業・企画 → ②提案 → ③サービス提供 → ④サービス管理 → ⑤アフターフォロー
  • 製造業 ①提案・受注 → ②試作 → ③仕入れ → ④製造 → ⑤検品・納品

といったように、実務の様子を思い浮かべながら、それぞれの「差別化ポイント」を考えていくのですが、難しく考えず、いつも行っている工夫やこだわりを、どんどん記載していけるようになっています。

ロカベンの取り組みやすさは、自社の普段の姿をありのままに記載することから始められる点にあります。実務での工夫やこだわりを整理することで「強み」を発掘することができるのです。経営者1人でも、社内会議でワイワイと議論しても、外部の専門家と一緒に行っても、どんなやり方でも構いません。自社の状況や課題を明確にしたいと思う中小企業の皆様であれば、取り組んでみることに意義があると思います。

ロカベンのベースには、目に見えない資産を活用する「知的資産経営」の考え方があります。「なぜこういう業務フローになっているのか?」「なぜこの仕入先を選んでいるのか?」「なぜ周囲の人たちとこのような関係性を築けているのか?」という、実務の「なぜ」を深堀りすることが、「知的資産」の発見につながります。

目に見えない資産=知的資産(中小企業庁 ミラサポPLUSサイトより)

実は、この「知的資産」発見のプロセスは、ブランディングや広報PRで日々行っている活動そのものです。例えば、ニュースリリースを発信するためには、「この製品は、なぜ競合と差別化されているのか」「どこがニュースなのか」など、ロカベンと同じように、強みを掘り起こす作業が必要です。

ミライフが大切にしているのは、”会社の宝(=強み)を活かすマーケティング”です。ロカベンの手法も活用して、顧客企業のご支援をしていきたいと思います。

マンガでわかる「ローカルベンチマーク」(中小企業庁)の解説がわかりやすいので、ご興味あれば参照ください。

「どんな会社でありたいか」企業の存在価値から考える「デザイン経営」

「デザイン経営」は、ブランドとイノベーションを通じて、企業の産業競争力の向上に寄与する

これは、経済産業省と特許庁が2018年に発表した政策提言「『デザイン経営』宣言」の一節です。これ以降、「デザイン経営」という言葉をよく聞くようになり、書籍を読んだり、セミナーに参加したりと学んできましたが、実務の現場で具体的にどうすればいいのか、よくわからない。。。という感覚がありました。

それが、最近、中小企業診断士の集う勉強会で、内閣府が提供する「経営デザインシート」を知ったことで、経営をデザインする基礎となる”思考プロセス”を、ようやく具体的に理解できました。

「経営デザインシート」は、その名の通り、将来を構想する「デザイン経営」の思考補助として活用できるツールです。こちらは、ロカベンより難易度が高く、社内外の分析を行い、経営を俯瞰して考える必要がありますが、過去・現在を踏まえて、持続的成長する未来をつくるため、将来の価値創造のための戦略を導き出す助けになってくれます。

特に、将来について、

  1. 価値:提供する価値は何か
  2. ビジネスモデル:どのようにして価値を生み出す?
  3. 資源:必要な資源は?

の順で考える点、「どんな会社でありたいのか」を最初に明確にするという思考の順番が、作成のポイントとしてガイドラインにも明記されています。

昨今、マーケティングでも、企業の存在価値=パーパスの重要性が増していると言われています。ミライフでも、顧客の「やりたいことはなにか」「どうなりたいのか」を丁寧に理解し、ご支援するようにしていますが、「経営デザインシート」の作成プロセスを参考にすれば、より質の高い対話ができると感じています。

ミライフは、独自の技術やサービスを持つ中小企業・スタートアップをマーケティングで支援します

ミライフは、広報・ブランディング・マーケティングの戦略策定から実行まで伴走支援するマーケティングの外部パートナーです。大阪・京都・兵庫を中心に全国のBtoB企業、中小企業、スタートアップ(ベンチャー)の支援をしています。

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