パソナ女性幹部育成プログラム第5期。5Forceで自社分析

2021年に始まった、株式会社パソナHRソリューション主催の女性幹部候補育成プログラム(Woman’s Advanced Program:WAP)。3カ月の間、1週間ずつ淡路島の研修所で合宿して学ぶものです。ビジネス力、プレゼンス力を学び、社会に貢献できる女性幹部候補を育成する、ユニークなプログラムです。私は始まった第1期から、「新規事業創出・マーケティング」の分野で講師を務めています。今回は、2023年10月4日と11月9日に、5期の受講生を対象に講義を行いました。

過去の講義はこちら 2021年第1期 2022年第2期

講義とワークショップで、理論を自分事として理解してもらいました

女性幹部育成は、日本企業にとって重要な課題

受講生のほとんどは、東証プライム市場に上場しているような大手の日本企業から派遣されています。まだ、女性幹部が十分に育っていないという課題感をお持ちです。しかし研修を受けた後、女性社員の成長や行動変化を目にし、上司が推薦したり受講生が後輩や部下に紹介して、リピーター企業が増えています。5期ともなると、過去に受講した同じ企業の名前を見ることが多々ありました。講師として一部関わっている私としても、講座の良さが評価されているのは、うれしいです。

受講生の年齢層は35歳以上が約90%を占め、社歴も長く、管理職層が多いですね。部署としては、人事・労務、マーケティング・事業戦略、営業など多様です。

パソナHRソリューションより(1期生~3期生のデータを基に集計

マーケティングの視点で考えると

今回は、14人の受講生が集まりました。マーケティングに関しての事前アンケートでは、全体の9割が、マーケティングに「非常に興味がある」「興味がある」と回答するなど、高い関心がうかがえました。一部その声を紹介しましょう。

我々の業界は非常に競争が激しいため、世の中の変化に気づき、お客さまの求めるニーズを捉えるように努め、それに見合う情報等を提供する必要があります。マーケティングは、そのために欠かせないものであると考えています(販売・営業職)。

企業広報的な観点で、マーケティングの考え方が必要になるので、関心があります(企画・広報職)

世の中の情勢や、どういう製品が求められているかを知りたいです(経理・財務)。

10月の講座では、まずマーケティングの基礎となる4PやSTPの概念を伝え、身近な商品であるコーヒーを例に考えました。「スターバックス、コメダコーヒー、セブンカフェ、を最近飲んだ人はいますか?」「それは、いつ?どこで?なぜですか?」

知らず知らずのうちに、味や価格、場所に惹かれてそのコーヒーを飲んだことが分かります。

愛用しているシャンプー。なぜあなたは、ターゲット顧客になったのでしょうか?

さらに実感していただくために、使っているシャンプーについて紹介するワークショップをしました。14名の受講生が使うシャンプーは12ブランドにもなり、驚きです。美容院専門のブランドもあり、講座で使うために購入するのに苦労しました。

14名の受講生が、現在使っているシャンプー

なぜそのシャンプーを使っているのか、いつどこで購入したのかなど、グループで話してもらい、もっとも愛が強い人に代表で語ってもらいました。いろいろとストーリーがあり、面白いです。シャンプーの値段は1本498円から8,800円まであり、1本にかける投資に大きな幅があります。入手経路も薬局、スーパー、ホームセンター、Amazon、楽天、インターネットの専門店など多様です。受講生の生活習慣やシャンプーへの期待などで分析すると、それぞれのシャンプーがターゲットとしている層が見えてきます。

自社を理解するために、適切な情報収集を

マーケティングの概念が理解できたところで、今度は自社についての分析です。まずは「効果的な情報収集」について、お話ししました。受講生が現在使っている情報源、活用方法などもグループでディスカッション。ネット情報などデジタル媒体の情報収集は効率的ですが、雑誌や新聞、展示会やイベントなどのアナログ手段も、特にBtoB企業には有効であることが紹介されました。また、「人が持つ情報」は非常に重要なので、それをしっかり「聴く力」についても考え、ワークを行いました。

自社の5Force分析発表、改めて知る業界の全体図、わが社の良い所

連続講座の良さを活かして、翌月の11月には「5Force分析」を、全員に5分で発表してもらいました。5つの脅威(業界内での競争、新規参入者、代替品、買い手の交渉力、売り手の交渉力)について分析するものです。3期までは3C分析(Company・Competitor・Customer)でしたが、変化の多い昨今、競合や顧客もどんどん変化するので、5Forceの方が良いと思い変更しています。代替品や新規参入の脅威は、大きいですね。

1カ月の間、受講生は上司や他部署の人にヒアリングをしたり、IRや採用担当などから資料をもらって情報収集したようです。5分でまとめて伝えるのは、難しいもの。しかし皆さん、工夫に満ちた5Force分析を発表されました。

私からは発表後に、それぞれの発表の良かった点や、さらに良くなるための改善点をコメントしました。資料は事前に共有してもらったので、会社のホームページや決算短信など、私も調べておきました。各自の発表時に、疑問を聞いて理解を深めることができて、良かったです。私自身、様々な業界の最新知識を聞いて、視野が広がることを実感しました。

ふだん読まない本を読み、ビブリオバトルでチームビルディング

最後はビブリオバトルです。チームで1冊を選び、5分で紹介し、発表を聞いた人が「読みたくなった本」を投票してチャンピオンを決めるゲームです。本への興味も湧き、組で準備して話し合う機会を作ることでチームビルディングになります。

私から紹介したのは、下記の10冊。各組の中でまずビブリオバトルをし、1冊を選び、11月に発表いただきました。経営学やマーケティングに関わるこれらの本、どれもお勧めです。

コトラーのB2Bブランド・マネジメント

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

マーケターのように生きろ

ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学 

ひらめかない人のためのイノベーションの技法

情報を活用して、思考と行動を進化させる

ピークパフォーマンス

ストーリーとしての競争戦略

競争の戦略

人を動かす

4チームが選んだのは、『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』、『ピークパフォーマンス』『マーケターのようになれ』『人を動かす』の4冊。

それぞれ工夫を凝らし、寸劇やコントなどで紹介されました。講座後の、受講生の声をご紹介します。

自社の5F分析の中で競合他社の数値情報や、提供サービスも調査してみることで、これまで以上に業界全体の理解が深まった。西山先生や、メンバーからの客観的なコメントにより、自分のくせや改善点に気づくことができた。

皆さんの5F分析から各企業や業界に関する学びを深められた。特に自分には考えられていなかった角度で調査分析されている方も発表は参考になった。またプレゼン資料の魅せ方も各自の特色があり勉強になった。5Fを分析する過程において、事業の意義や展望について社内の各セクションの方々から意見を伺うことで、改めて社会における自社の期待役割を認識することができた。

活字が苦手で本を読むことに抵抗があるが、こんな風に誰かと一緒に共有する機会があるとしっかり理解して読もうとしたり、気になったところを見返したりして読み方自体も変わってくることを体験した。

マーケティングの手法における、情報として有効なコンテンツを具体的に教えていただき、実務においてもすぐに実践できる内容でした。ビブリオバトルは楽しみながらチームワークを養う時間でした。参考図書はこれから1冊ずつ読了したいと思います。

淡路島での研修は、ビジネスだけでなくSDGやウェルビーイングを考える内容が入っています。私も講義の前に少し参加させていただきました。持続可能な社会や循環型社会の実現に寄与することを目指した「タネノチカラ」の野外研修は、現在の地球環境の問題を考えさせられるものでした。受講生は同じ釜の飯を食べ、共通体験を通じて、結束が深まったようです。

時代も進んできたのか、今回の受講生は幹部候補としての自覚が高い方が多い感じを受けました。社長を目指すとおっしゃる方も・・・これからが楽しみです。イノベーションを生むには、多様な視点が重要です。女性の幹部や経営層が増えることで、日本の企業が変化していくことを期待します。

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