広報担当のお悩み第一位:「広報効果測定」セミナーレポート

PR・広報の成果をどう測るか?実は、多くの会社が試行錯誤してること、ご存知でしたか?クライアントや広報仲間と話していても、

  • 掲載件数と広告換算値を記録している例や
  • 年間掲載数(量)と、〇〇媒体に掲載(質)を分けて管理する例
  • 「何も記録できてないよ〜!」という例

など、会社ごとに本当に様々です。

あるデータでは、広報部門の担当者の日頃の悩み第一位が、まさに”広報活動の効果測定が難しい”だったとか。

「広報部門の日頃の悩み」一位は、”広報活動の効果測定が難しい”(経済広報センター調べ)

なぜ悩むのか?それは、PR・広報が、”範囲が広く長期的な活動”だから。ミライフ代表の西山は、“広報は漢方薬”とよく熱く語っていますが、本当にそう!目の前の売上を作る”特効薬”ではなく、長期的なブランド形成や、レビュテーション構築などジワジワと体質改善する、まさに”漢方薬”のような活動がPR・広報の本質です。だからこそ、効果測定が難しいのです。

この悩み多きテーマについて、宣伝会議の人気セミナーに参加したのでご紹介します。

広報効果測定1日セミナー(宣伝会議主催)

東京を本会場に、大阪、名古屋、福岡など各都市で生中継受講できるのが宣伝会議の講座の素晴らしさ。私は、大阪・堂島の宣伝会議関西本部にて受講。朝10時~夕方5時半まで丸1日を使ったプログラムでした。

プログラムは、以下の通り。

  1. 広報効果測定の概要と現状(タカオ・アソシエイツ 高雄宏政氏)
  2. グループブランド価値の増大を目指す、オムロングループの効果測定(井垣勉氏)
  3. ソーシャルメディアにおける効果測定(トライバルメディアハウス 池田紀行氏)

広報効果測定のプロ、タカオ・アソシエイツの分析手法は?

トップバッターは、広報効果測定値ETAモデルを開発した高雄氏。ETAモデルについてはコチラ

特に参考になったのは、掲載記事の「論調指標」(報道が与えるイメージを計測した数値)の分析。例えば、プラスの記事かマイナスの記事か?どんな要素を含む記事が高評価なのか?など、判断がブレがちな「論調」分析のルールを、ワークショップも交え、詳しく説明いただきました。

自社の目指すべきブランドが明確でないと、何が「よい広報」なのか判断できません。判断基準を明文化し社内で共有すると、広報活動の質はどんどん上がる!と私も思います。(でも、自分が担当した取材の記事や放送内容は、ついつい「よいところ」を探したくなるのが人情。。。)

全ては企業理念実現のために。オムロンの広報戦略

ランチ休憩を挟み、オムロンの執行役員/グローバルIR・コーポレートコミュニケーション本部長の井垣氏から午後のセミナー再開。「いかに”企業理念”を実践するかを考え抜く」オムロンの”企業理念経営”が、広報の組織や活動の隅々まで徹底されていることが、よくわかりました。

<参考記事>オムロン 共感呼ぶコミュニケーションを

”広報の効果測定は目的ありき”という点も、丁寧に解説。例えば、ある事業部の目標を計画する時に広報の役割も設定し、それが「新規顧客発掘」だったら、”見込み客が接触するメディアの取材獲得”といった広報施策に落とし込めます。このように、経営レベルの目標に対する広報の役割を計画時点で明確にすることで、広報の関与が高い活動(例:リリース発信数)だけでなく、広報の関与が測りにくい事項(例:事業部売上)も、広報の目標として見通すことができるということです。お話も資料も非常にわかりやすくロジカル、グローバル企業の広報トップはさすが戦略的でした!

他には「日々の仕事が企業価値に貢献しているという視点は、広報部員のモチベーションを高める」という指摘も印象的でした。以前、オムロン広報の方とお話した際に、広報施策と企業理念の関連を、わかりやすく説明されることに感銘を受けたのですが、会社全体に、”企業理念経営”が徹底されていること、今回改めて実感しました。

”効果測定オタク”のマーケターによる最新メディア事情

ご自身を”効果測定オタク”と呼び、この課題の第一人者である池田氏。最新のデジタル・ソーシャルメディアや、ユーザーの変化、アップデートされる広報の役割など、2時間半の流れるようなトーク、すごい!

「広報の活動は、長期的投資だから費用対効果を測っても意味がない!と、ちゃんと上司に言いましょう」とか、「広報担当は”メディアはコントロールできない”ことが、骨身にしみて分かってるから、ソーシャルメディアへ適応しやすい(ので今の時代に有利ですよ!)」などなど、広報経験者の気持ちをくすぐるアドバイスも満載で、なんともお上手(笑)!

広報の効果測定についての池田氏の持論は、ぜひ受講してお確かめください!ヒントとしては、何度も繰り返されていたコレ。

  • 広報の目的は、態度変容ではなく意識変容

数年前の記事ですが、下記も参考になります。

ソーシャルメディアのその先へ:その広報活動の効果測定、もはや牧歌的すぎる

通勤電車が違う世界に見えるほどに、池田氏の講義は「目からウロコ」状態、大変刺激的でした。

専門家でも手法は三者三様。でも目的から考えれば大丈夫!

3つのプログラムを聞いて、専門家でも三者三様、広報の効果測定手法が全く異なっていたことが印象的でした。「手法でなく目的は?戦術でなく戦略は?」と、マーケターなら議論したことがあると思いますが、PR・広報でも、もちろん同じこと。手法から考えて混乱するのではなく「目的は何か?」を関係者とドンドン議論し合意する、というプロセスを大事にするべきです。

ここで全てはご説明できませんが、他社の例も含め、広報の効果測定は目的により様々な手法があります。ご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。

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