最新トピックス
AI時代の広報・PRの在り方とは?〜人が担うべき領域とAIが活躍する領域〜
こんにちは、ミライフの八尾です。
今日は「AI時代の広報・PRの在り方」について、現場と経営の両方を見てきた立場から、お話しします。特に、関西で広報・PRを手がける方や、PR代行を検討している企業にとってヒントになる内容をまとめました。
広がる生成AI活用と広報現場の変化
ここ1~2年、ChatGPTをはじめとする生成AIが爆発的に普及し、広報・PRの現場にも確実に影響を与えています。クライアントからも「これからは広報も全部AIでできるのでは?」と聞かれることも増えました。
確かにAIは、プレスリリース作成や原稿の下書き、アイデアの整理といった業務を驚くほど短時間でこなします。しかし、AIが得意な領域と、どうしても人がやらなければならない領域は明確に分かれています。
そこで、広報業務を上流・中間・下流の3フェーズに分け、どこにAIが向いているかを整理してみます。
広報・PRの仕事を3つのフェーズに分けてみる
広報・PRの仕事を上流工程~下流工程まで分けると、以下のようになります。
- 上流:経営判断・方向性の設計
広報活動によって経営にどんなインパクトを与えたいのか
経営戦略とマーケティングとの接続(関係性・役割分担)をどう考えるのか
「誰に、何を、どう届けるか」という根本的な意思決定 - 中間:計画やコンテンツの具体化
広報企画を企画書や提案書に落とし込む
プレスリリースの企画・執筆
SNSやWeb用の原稿作成 - 下流:現場での実行・対応
記者会見やメディア内覧会の運営
取材時の各方面との調整やフォロー
メディアや関係者との信頼関係構築
では具体的にどの工程でAIが活躍できるのか見ていきましょう。
AIがもっとも力を発揮するのは「中間」フェーズ
この3つの中で、AIがもっとも得意なのは中間フェーズです。
ここでは、文章化や構造化、データ整理といった「情報を形にする作業」が多く、生成AIが威力を発揮します。
実際、私は中間工程でこのようにしてAIを積極的に活用しています。
- 企画書の叩き台づくり
イベントやキャンペーンのアイデアを入力すると、想定スケジュールや必要リソースまで一気に整理してくれます。実際の細かいところは人間が調整しますが、6割ぐらいまで一気に出力されるので便利です。 - プレスリリースの初稿作成
構成や訴求ポイントを入力すれば、数分で読みやすい文章に。人間が最後に磨き上げるので精度も担保されます。 - 調査・傾向分析
SNSやニュースサイトから関連情報を収集し、要約やグラフ化まで自動化。会議準備が圧倒的に早くなりました。 - コピー制作
AIは誰でも一瞬で60点のコピーを作れますが、プロが使えば80点に仕上げる時間を半分に短縮可能。ただし、80点以上を目指す領域は、お客様との対話から生まれる「思い」や「空気感」「リズム」など、AIでは再現できない要素を人間がデザインします。
このAI活用により、以前は半日かかっていた作業が数十分で終わることも珍しくありません。その分、戦略立案や現場対応など人間が担うべき領域に時間を回せます。
上流と下流は人間の領域──ミライフは両方を大切にしています
一方で上流フェーズでは、経営や事業環境を深く理解したうえで「何を目指すか」「誰にどう響かせるか」を決める判断力が必要です。AIは参考案を提示できますが、最終判断は人間が行います。
下流フェーズでは、会場の空気を読み進行を調整する、突発的なトラブルに即応する、雑談から取材機会を作る──こうした柔軟な動きは現場にいる人間にしかできません。
多くのPR代行会社は下流や中間に強みがありますが、ミライフは上流から下流まで一気通貫で対応できるのが特徴です。「広報で経営にどう貢献するか」「マーケティング戦略とどう接続するか」といった設計から実行までサポートできるため、経営者の方からのご相談も多くいただいています。また、現場運営から発展して戦略の見直しまで広がるご相談も増えています。
会議運営もAIと人のハイブリッド
会議の議事録作成はAIに任せることで、私は発言することや同時解釈、その場でのアウトプットに集中できます。やることが明確な「進行フェーズの会議」はオンラインが効率的ですが、アイディア出しや戦略相談は、対面のほうが熱量と精度の高いアウトプットにつながります。
ミライフでは、こうした現場力をさらに高めるために、リアルでの広報活動を積極的に行っています。
- メディアキャラバン:広報担当者がグループで複数のメディアを訪問し、直接関係を築く取り組み。関西を拠点に、多くのメディアとの接点を生み出しています。
- 関西広報100研究会:関西の広報担当者が集まり、最新事例や課題を共有する勉強会。異業種交流や情報交換の場として、参加者の広報スキル向上に寄与しています。
これらはAIには代替できない、信頼関係づくりと情報交換の機会であり、関西エリアの広報現場を肌感覚で理解するための重要な活動です。
デジタルと現場をつなぐ「ハイブリッド広報」がこれからの標準に
AIは広報の効率化だけでなく、「人間がやるべき仕事」に集中できる時間を生み出します。ミライフではこれをデジタル×現場のベストミックスと考えています。
上流:経営レベルの判断や戦略設計 → 人間が担う
中間:文章化・資料作成・調査 → AIに任せて効率化
下流:現場での実行と関係構築 → 人間が動く
このバランスが取れるほど、広報活動はスピーディーかつ戦略的で、人間らしいものになります。
おわりに
AIが進化すればするほど、「何をAIに任せ、何を人間がやるか」という線引きが重要になります。
広報の本質的な価値は、AIには再現できない経営レベルの判断力と現場対応力にこそ宿ります。
もし「AIを取り入れたいけど、どこから始めればいいかわからない」「現場とのバランスをどう取ればいいのか悩んでいる」という方は、ぜひミライフにご相談ください。私たちは、経営戦略から現場運営まで、AIを積極的に活用していくチームです。
ミライフは、独自の技術やサービスを持つ企業をマーケティング広報で支援します
ミライフは、広報・ブランディング・マーケティングの戦略策定から実行まで伴走支援するマーケティングの外部パートナーです。大阪・京都・兵庫を中心に全国のBtoB企業、中小企業、スタートアップ(ベンチャー)の支援をしています。
マーケティング戦略や広報戦略、事業戦略などプラン段階から、広報のネタ探し、メディアアプローチ、取材対応などの実行支援まで、丁寧に柔軟にサポートします。
今、悩んでいる課題があるという方には、スポットコンサルティングも行っています。お気軽にお問合せください。