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大阪・関西万博ボランティア体験。仲間として盛り上げる意義
2025年4月13日に開幕した、大阪・関西万博。半年が経った9月の今、毎日たくさんの人が訪れて予約をするのが困難なほどになってきました。黒字化も達成し、盛り上がっています。
実は私、昨年万博ボランティアに登録し、すでに4回の活動をしました。一般客としても2回、仕事がらみで1回訪問しましたが、ボランティアとして参加した万博からは、違う世界が見えましたのでご紹介します。
2万人募集に、5万人が応募。幾多の困難を乗り越えたボランティアの熱意
今回の万博は批判も多く、建築が遅れる、費用がかかる、人が十分来るのか、など疑問視されていました。しかし、ボランティアは約2万人の募集に対し、55,634人から応募があったほど*。年代は多い順に10代(23.6%)、50代(19.7%)、60代(18.0%)、20代(16.1%)、40代(10.9%)、性別は女性が多く(68.6%)、居住地は大阪府(65.8%)、兵庫県(15.3%)、京都府(5.0%)。職業は学生(35.1%)、会社員(27.6%)、主婦・主夫(14.6%)、自営業(4.5%)です。意外に、忙しい会社員もたくさん応募しているのですね。
*ボランティア応募結果のプレスリリースより
最終的には1万人の増員が決まり、厳正なる抽選を経て3万人がボランティアに。枠に入って喜んでいたら、始まるまでにオンライン研修が思った以上に数多くあり、テストの合格が必要で、結構苦労しました。
万博の概要や歴史、ボランティアの心構え、多様性などのオンライン研修
研修はすべてオンラインで、動画の視聴です。1)基本研修と、2)希望の活動場所の配置別研修(私はエリア活動と、運営補助活動:アクセシビリティーセンター**の二か所)が必修、そして3)任意のリーダーシップ研修やトリビア研修などもあります。
各動画は1分から10分程度の長さで、簡潔で分かりやすいものです。しかし、基本研修だけでも41コンテンツあり、全部視聴するのに90分ほどかかります。それに加え、活動エリアの分も視聴して、テストに合格する必要があるので、時間を取るのが意外と大変。
基本研修を少し紹介しますと、大阪・関西万博の概要・テーマ・めざすもの・公式キャラクター「ミャクミャク」・会場・大屋根リング・各パビリオン・会場アクセス、万博の歴史、ボランティアの心構え、文化・性・世代・心身機能の多様性、1日の中でのコミュニケーション・ホスピタリティとは何か、ユニフォーム着用のルールなど、多岐にわたっています。
IDカードを作るためのオンライン登録がまた面倒で、途中で挫折しそうに・・・ボランティア仲間で、「いじめかと思った。ここであきらめるのも悔しいので、息子に横に座ってもらって一緒に登録した」という高齢の方もいました。
**アクセシビリティーセンター:車椅子や歩行補助具の貸出しや、障害のある方、高齢者の方の案内、介助サポートをするところ

開幕翌日のボランティアは、右往左往
なんとか無事にテストを終え、登録を済まし、ユニフォームも届き、張り切って初めてのボランティアに。2025年4月14日、西ゲートでウェルカムボードを掲げて、お客様を迎えました。開幕翌日ということで、自分も含め、ボランティアも運営側も分からないことが多く右往左往となりました。そもそも会場へ行ったのもこの日が初めてでしたので、パビリオンの場所を把握しておらず、お客様と一緒に地図で場所を探しました。外国人から英語で聞かれる機会も多々あり、ボランティアのチームで、教えたり調べ合って対応しました。(「英語対応可」のバッジを付けました!)
地図はどこで手に入るのか?(売店で買わなければいけません。配布されません)、スマホのバッテリーがなくなったけどどうすれば?予約はどうやってするの?トイレの場所は?など、今となってはネットでたくさん出ている情報も、この日は何度も聞かれました
外国人が3〜4割、台湾や小中学生団体旅行も、赤ちゃんも高齢者も、ありとあらゆる人々がいて、にぎやかで、みんな嬉しそうでした。ボランティアの人たちは皆さん人当たりよく、関西愛にあふれ、すぐに打ち解け、一緒にランチも行きました。
今回の活動時間は、9時~13時(休憩あり)、集合は8時で活動の前後にそれぞれ30分程度のミーティングがありました。交通費・食費相当として 、1日2,000 円のQUO Payが支給です。家からの交通費と、高い会場での食費、5時間拘束に対して、「労働」と考えると割に合いませんが、あくまでボランティアということで、みなさん楽しんでおられました。
- ボランティアセンターにあるお礼の言葉
- 一緒に食べた、かすうどん
時期を経て、お客さんが変わり、ボランティアも変化。
その後、2回目は4月28日のエリア活動、3回目は8月13日のアクセスビリティー活動を行いました。アクセシビリティーセンターでの活動とは、車椅子の移動や、返却された分の清掃です。西エリアで、13時~17時に活動をしました。万博には、500台の車椅子が用意されているそうです。当初より台数を増やしたものの、お盆で人の多いこの日は、貸し出し依頼が多く、東ゲートの車椅子が足りなくなり、西ゲートからスタッフが運んでおられました。こういう陰ながらの努力が、万博を支えているのですねぇ。
ただ、多くの方は午前中に車いすを借りに来て、夕方に返却されるので、午後の我々の時間はあまり人が来ず・・・一緒のグループにいた高校の先生をされているというボランティアは、「仕事ないですか?」と運営の方に何度も聞いておられました。
3回目、8月29日東エリア9時~13時の活動では、1回目と違って、ほとんどお客さんから質問がない状況でした。万博の公式本も多数販売され、ネットには体験談があふれています。4月より運営がずいぶん改善され、よくある質問に対応した地図をボランティアに配布するなど、工夫されていましたが、お客さんから頼られることがあまりなく、寂しい気がしました。
代わりに生まれた活動が、お客さんへの「写真撮影」。専用写真フレームも用意され、これを貸し出して写真撮影をするのが人気でした。
正直、「写真撮影をするのが、ボランティアの仕事か?」と疑問に感じましたが・・・お子さん、ご家族、友人、恋人、一人での撮影でも大変喜んでもらえました。猛暑が続く毎日、この日のボランティア時間には休憩が2回もあり、活動も大屋根リングの下など涼しいところがメインでした。「たった4時間の活動に、2回も休憩が必要か?」とも思いましたが、熱中症を恐れてのことでしょう。
同じグループでボランティアをした年配女性と休憩時間に話しましたが、万博には何度も個人的に行って、ほぼすべてのパビリオンを制覇されたとか。かなりマニアックな、パビリオン攻略法を教えてもらいました。その日も、ボランティアが終わった後、東京から来た息子さんと一緒に回るそうです。
- 休憩時間に、セルビア館のリンゴジュース
- 人気のフォトフレーム
- ボランティアセンターにあるお礼の言葉
ボランティアの役割、関係者・仲間として応援する意味
そもそも、ボランティアの募集要項を振り返ると、このように掲載されています。
2025 年日本国際博覧会のボランティアは、多様な方々に万博に参加いただける機会であり、多くの仲間と一丸となって万博を創り上げていく等、他では得られない貴重な体験ができるチャンスです。
また、万博のテーマである「いのち輝く未来社会をデザイン」すること、すなわち SDGs の達成に向けては、一人ひとりができることを行動に移すことが必要であり、自発的な活動であるボランティアの存在は重要です。万博でのボランティア活動が、将来にわたる様々なボランティア活動の契機となり、引いては SDGs の達成に寄与することが期待されます。
このような観点から、万博を訪れる方々を会場や駅、空港等で迎え入れる万博の「顔」となるボランティアを募集します。
万博ボランティアに私が応募した時、「批判も多い万博を、運営から支えて少しでも盛り上げたい」「万博という滅多にない機会を、客としてだけでなく、中から見てみたい」「新しい出会いや経験をしてみたい」など思っていました。「運営から支える」は、もう少しきっちりした労働をイメージしていたのですが、実際には軽いものでした。まあ運営側としても、ボランティアにそこまでキツイ仕事は任せられないということもあるのでしょう。
むしろ、多くの人が関係者・仲間として、万博での経験を家族や友人に熱く伝え、応援するのが、ボランティアの真の意義ではないかと思ってきました。
私もNPOの運営などに関わっており、ボランティアの方に手伝っていただくことがあります。どのようにやる気をもってもらうか、自分事として盛り上げていただくかはいつも悩みます。自分が万博のボランティアになることで、いろいろと考える良い経験となりました。
最後の活動は、10月2日9時~13時に東エリアで活動予定です。仲間と一丸となって盛り上げていきます!

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